僕が子供の頃はやたら学校の成績表やテストの結果はとても重要でした。
高校に行くなら内申書がどうとか、模擬試験での偏差値はどうだとか。
その中で、時々、学校で行われていたのが知能指数(IQ)テスト。
IQ(知能指数)とは、IQテストの結果を標準偏差を用いて表します。
平均的な日本人の知能指数(IQ)は100前後で、85から115の間に約70%が集中し、数値が高いほどIQが高く、IQが高い=高い能力が備わっていると信じられてきました。
ちなみに、かのアインシュタインのIQは185だったそうです。
しかし、今では学校でIQテストは行われていません。 なぜでしょうか?
知能検査(IQテスト)が学校で行われなくなった3つの理由

IQテストが学校で行われないようになったのには、IQテストというものが意外に曖昧なテストで、以下のような理由が考えられます。
1. 能力差別の対象になりやすい
いつの世でも、学校での成績が良い子供と悪い子供はいるものです。
もちろん、それで人生が決まるわけではないことくらい、子供も知っていますが、テストなどで数値の低い子供が差別される、いじめられるということは起こりがちです。
知能テストは、もともと子供たちの能力というよりは、精神面を評価するための指標として学校でよく実施されていました。
当時は学力テストの点数が低くても、知能テストが高ければ、将来へのポテンシャルは期待できると言われていました。
しかし、結局、知能指数が図るのは認知能力の類で、学力テストにもかなり通ずるものがあるため、結局IQテストが低いと、そのポテンシャル自体をも否定されかねない差別が子供の中で生まれてしまう危険性がありました。
2. 創造性を測ることができない
IQテストも結局は一般知識を問う問題が多いことには大人になってから気付かされたという人も多いことでしょう。 また、IQテストで言語能力を問う問題がありますが、これもまた結局は学力テストとそれほど変わらないテストと言えます。 IQテストでは子供の創造性までは測ることができません。 数値化しにくい能力が子供には備わっています。
3. 処理スピードが速いからといって能力が低いとは言えない
IQテストでは、正答数のほかに、なるべく短い時間で正確に答えなければいけません。 つまり、正答率が100%でも、回答時間が遅ければIQは下がるわけです。 例えば、かのアインシュタインは、高校まではあまり学校の成績は芳しくなく、その一因が答えるのが遅かったからだそう。 試験問題を完全に丸暗記すれば、答えは早く正確に出せますが、それは本当に良いこととは思えませんよね。
IQの高い国ランキングの謎
そんな眉唾な感じもするIQテストですが、このテストは世界各国で行われています。
また、国別の世界ランキングを見ると、どうも不思議な点があります。
IQの高い国ランキング(上位10カ国)
- 1.香港(国民平均IQ:108)
- 1.シンガポール(国民平均IQ:108)
- 3.韓国(国民平均IQ:106)
- 4.日本(国民平均IQ:105)
- 4.中国(国民平均IQ:105)
- 6.台湾(国民平均IQ:104)
- 7.イタリア(国民平均IQ:102)
- 8.アイスランド(国民平均IQ:101)
- 8.モンゴル(国民平均IQ:101)
- 8・スイス(国民平均IQ:101)
出典:Brainstats
どうでしょう?
上位はすべてアジアの国で占められています。
それでいて、勉学・研究における最高学府である大学の世界ランク上位はほぼ欧米で占められています。
となれば、IQは非常に偏ったデータであり、IQの高さイコール「頭の良さ」ではないことは明らかでしょう。
グリットがIQよりも重要と言える1つの理由

そんな中、IQに代わる指標として「Grit(グリット)」というものが注目を集めています。
「Grit(グリット)」とは、英語で「歯をガリッと噛んで食いしばる」という意味があるのですが、このことから、「努力・根性・忍耐・情熱」を表す指標として話題を呼んでいます。
特に、「人生で成功するには」IQの高さや天賦の才能よりも、「グリット」の方が重要であることが、科学的にも裏付けられるようになりました。
あの天才打者・イチローの引退会見を見て、まさにグリットの大切さを感じた人も多いことでしょう。
日本でもかつては、「努力・根性・忍耐・情熱」というグリットの精神が子育てにおいてとても重要視されていました。
ところが、昔の日本では「グリット」は体罰やしごきといった肉体的な苦痛を感じるものへと結びつきやすかったため、現代ではこのグリットは社会から追いやられてしまいました。
そもそもグリットに体罰などは必要ないのです。
それではグリットに必要な要因は何でしょうか?
グリットには4つの要素があります。
- 1.困難なことに挑み、逆境にめげない「度胸」:Guts
- 2.挫折から立ち直る「復元力」:Resilience
- 3.率先して事に当たる「自発性」:Initiative)
- 4.目的に向かってやり抜く「執念」:Tenacity
※頭文字を取るとGRITとなります
これらはすべて、生来持っている必要はなく、すべて誰もが後天的に伸ばせる力です。
生まれ持って備わっている認識能力を測るIQとは、むしろ真逆の存在と言えるでしょう。
子供のグリットが上がる4つの習慣

親ならば、誰もが子供の人生での成功を願うはず。
成功という意味にはさまざまありますが、子供が幸せな人生を送っていればそれが成功です。
特に、時代や文化の変化が飛躍的に速くなったこのデジタル時代においては、ますますグリットが必要となってきています。
今の子供は(大人も)、学校や家庭でも膨大な情報が流れる生活の中で、1つのものに集中できることが昔に比べて非常に少なくなっています。
そのため、グリットはスタミナが必要となります。
1つの夢や目標を実現するために毎日毎日、朝から晩まで、夢中になって頑張り続けることです。
これは今も昔も変わりません。
ただ、一歩一歩、少しずつでもできる努力なので、どんな子供でもできるのがグリットです。
そして、平凡な人こそ、将来、達成感を感じられるのです。
グリットを身につければ、逆境に強くなり、成功へ近道ができます。
「努力に勝る天才なし」
「ローマは1日にしてならず」
もう使い古されたことわざが表しているように、まずはその第一歩を子供に歩ませてあげたいですね。
話題の本も続々登場しているので、1冊もっておけば、子供が努力を忘れた時なんかにアドバイスができるようになります!
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